数学の編入試験の勉強について
このページでは編入試験の数学に対する自分なりの勉強方法やお世話になった参考書、サイトなどを紹介していこうと思っています。
目次
・線形代数
・複素関数
・確立・統計
・ベクトル解析
まず微分積分についてです。微分積分は覚えることが多く、問題も難しい大学ではとことん難しくされると思うので非常に苦労させられると思います。
内容に関してですが、僕はまず最初にマセマの微分積分を読み、公式を理解しつつほとんどの式を暗記しました。その後問題集や過去問を解き、自分が弱いところを見つけて再びマセマを読み直す、という勉強法でした。また、参考書には載ってない問題などは、ネットの「高校数学の美しい物語」や、「受験の月」などのサイトを参考にさせて頂いていました。この二つのサイトは非常に分かり易くて微分積分以外でもかなりお世話になりました。
僕は微分積分を解く上でのコツは与えられた関数をある程度グラフとして頭に思い浮かべることかなと思います。僕はこの能力が低いので難しかったのですが、友達は2次元でも3次元でも思い浮かべるのが上手く、スムーズに問題の本質を見ていたと思います。
次に線形代数ですが、これは僕は定義をしっかり覚えることがすべてだと思っています。定義をしっかり覚えてしまうと、1つの問題に対して線形代数の中の知識(身に付けた定義)を用いていくつもの視点でその問題を見ることができるようになってきます。普通に計算するだけだとかなり時間がかかってしまうものも、ほかの視点から見ることでテクニカルに高速で間違いを少なく解く事ができるようになります。この分野ではすべての定義を理解し身に付けてしまいましょう。
僕は線形代数は間違えにくい科目、つまり点数を稼ぎやすい科目だと思っています。上記のように丁寧に勉強すれば自分の間違えに気づきやすいからです。
この科目に関しては僕は過去問だけをやりました。問題集をしていてもなんだかつまらないなと思ったからです。
微分方程式はほとんど暗記です。
僕は、
・微分方程式とは何か。どのような考えで生み出されたのか。
・微分方程式にはどのようなものがあるのか。
ということをまず始めに学習し、その後、
・それぞれの微分方程式の形、名前、解き方
を暗記しました。それぞれの形についてすべて暗記しました。もちろんできるだけ定義を覚えるようにもしましたが、完璧に暗記するだけでも十分戦えるなと思いました。
問題として見ても、僕たちが解けるような微分方程式というのはほとんど形が決まっていて、それぞれに決まった解き方が用意されています。なのでこの科目は暗記したものを使って解く、という作業になりがちで暗記するほど点数も上がっていきます。完答さえできてしまうのがこの科目です。頑張る価値があります。
複素関数は非常に難しいです。なんというか、複素関数の考え方が今までの数学とは異なるような気がしてとっつきにくかったり理解しにくかったり、そんな苦しさを感じました。実際に、複素関数というのは今までの数学には無かった考えをいくつも用いているので今までのものと結びつけるのが難しいのです。
勉強はまずは複素数とは何か、ということから始めました。
そして最初に躓いたのが複素関数です。すべての関数ごとに変換のしかたが違い、覚えて慣れるまでにかなり時間がかかりました。慣れてからもグラフとしてみようとするのはまだまだ難しいです。
次に躓いたのが複素積分です。はじめてここで複素数の線積分に触れたのですが最初はまったく意味が分かりませんでした。先生に聞いたり友達に聞いたりして何時間もかけてようやく分かった、ぐらいのレベルで難しかったです。分かった後も復習を時々していました。
そしてその次に躓いたのがローラン展開です。躓きまくりです。参考書を読んでも考え方は分かるのですが、問題を解くとなるとまったく分からなくなってしまっていました。これもしっかり身につくまで定義や問題の意図を読み取る力を培う勉強をしました。
最後に躓いたのが留数と留数定理、そしてそれを用いた積分です。これも最初は意味が分かりませんでした。ローラン展開を完璧にしてから学ばないといけない内容だなと感じました。
複素関数では、マセマの参考書の他にネットのサイトに非常にお世話になりました。いくつかの大学がPDFであげている複素関数論も参考にしました。最後の留数を用いた問題などはネットにも多く乗っているので非常にありがたかったです。
- 確立・統計
非常に難しいです。確立はなんかかわいいキャラが表紙に写ってる確率が本当によく分かる本という参考書を使ってやりました。
統計に至っては今もまだまったく分かっていません。。。受験前まではネットの記事を参考にして読んでいました。難しいものは参考書などを読んだらよかったと思いました。結局読まなかったのですが…
この科目は理解するのが非常に難しいと思うので根気がいるのではないでしょうか。自分には難しかったです
- ベクトル解析
ベクトル解析は僕たちは授業で習っていたので受験勉強はその復習という形になりました。授業で習っていない方は積極的に先生に聞くといいと思います。僕は先生の授業とノートがかなり分かりやすかったので復習しているときもとてもスムーズに学習できました。
問題はあまり無いので過去問と高専の教科書で取り組んでいました。
内容的にはやはり難しいので、分からないところなどは積極的に先生やこの道の達人に聞きに行くのが良いと思います。
以下、全体の勉強法や参考書やサイトを書いていこうかなと思ってます
平成30年度 東京大学編入体験記
更新日 2017/12/15
はじめに
難関大学への編入を考えている人に僕の記録を残します。少しでも参考になると嬉しいです。
受けたのは2科目(数学、英語)です。結果は1次合格、2次(面接)不合格でした。(2次で落ちたのは18人中僕だけでした…)
目次
- 自己紹介(軽い)
- 在学時の成績など
- 受験の動機
- 僕の勉強方法とコツとか(数学、英語についての。詳しくは別の記事でも書こうと思ってます。)
- 感想(重要だと思います)
自己紹介
- 出身学科:情報電子工学科
- 志望学科:システム創成学科
- TOEICスコア:715(4年の3月)
- 部活:無し
- 好きな科目:数学
- 苦手な科目:英語
在学時の成績について(学科で)
- 1年2位
- 2年2位
- 3年2位?3位?
この時点のTOEICスコア:195
低すぎたのでクラスでも先生に晒されました。一笑い頂きました。
- 4年14位
4年のTOEICスコア:5月370、7月465、11月600、1月700、3月715
受験勉強を4年の1月末~2月始め頃に始めました。
- 5年前期中間38位(下から2番目)
- 5年前期総合35位。上がったぜ。
ここまでひどかったのは授業中も受験勉強をしていたため…。先生方には失礼なことをしました
TOEICの勉強については後述しています。
1年~3年まではまじめに勉強をしていました。というか休日とか暇すぎて逆に勉強をしていました。
4年からバイトを始めたり、授業中にTOEICの勉強をするようになったのがきっかけでテスト勉強をあまりしなくなりました。
5年は受験勉強でテストどころではありませんでした。前期で単位を2つ落としました。
受験の動機
高専生活を通しても興味がある分野は見つかりませんでした。
しかし、漠然と勉強はしたいなーと思っていたのと、別の環境で学生生活を送ってみたいと思っていたので、受験はするつもりでした。
東大を選んだ動機は、仲のいい友達が受験するといっていたからです。(受験の動機は非常にとてもかなり重要です。こんな気持ちで大学を決めるのはやめましょう。)
勉強方法
まず勉強を始める前に、PCを片付けてスマホのゲームアプリとTwitterとYoutubeとメルカリとPlay Storeを友達にロックをかけてもらい、ゲームや娯楽が一切できないようにしました。つまり勉強以外にすることがなくなる環境にしました。それまでずっとゲームをしていたのでこうでもしないとだめだろうと思ったからです。
別のページにそれぞれと勉強方法を書きましたが、僕の勉強方法は、
- 取り合えず本を読む。分かるまで読む。
- 分かったらノートに分かったことを書く。
- 問題を解く。ここで自分が何を分からないのかをはっきりさせる。
- 解いた問題を見て自分が分からなかったところ、ちょっと弱いと思ったところを書き出す。
- 書き出したところをもう一回基礎からやる。
- 終わり。
- 終わったけどまだちょっと続く。
- 終わり。の後しばらく時間がたったら(数日~1週間ぐらい)もう一回分からなかったものを書き出したのを見てみる。忘れていたりまた分からなくなっていたりしたらもう一回やる。
- 上のを繰り返してやる。
といったものでした。復習を中心とした感じです。問題を多く解くというよりも自分が何を分かってないのかをハッキリさせるということのほうが大切だと思ったからです。もちろん勉強方法には個人差があると思うので、絶対にこの方法がいい!というわけではありません。これも参考にしつつ、自分に合った勉強をして欲しいと思います。
- 数学
受験勉強を始めたころ(4年の1月末頃~)は参考書を読んだり、高専で習ったことの復習をしたりしていました。問題集を解いたりもしたのですが、基礎が分かっていないと意味が無いと気づいたので、参考書やネットの記事で考え方をひたすら学びました。
微分積分、微分方程式、線形代数、複素関数はマセマの参考書をやりました。これらの内容はネットでもよく調べて勉強しました。
確率や統計学は主にネットの記事メインで学習しました。ネットの記事は分かり易く書いてあるのでおすすめです。
とりあえず参考書などを一周して基礎を学んだ後、過去問を解き始めました。(5年の5月頃~)
過去問を1年分解き、分からなかった問題について、その問題の分野の分かっていないところを1から洗いなおす、という感じで詰めていきました。
問題集も少し解いてみたのですが、東大の過去問をじっくり解くほうが基礎から応用までが身に付いて遥かに良いと感じました。東大の過去問は本当に意味のあるいい問題だと思います。
過去問は全部で12年分?ぐらいあって、昔のものから解いていました。最初のほうは3割~4割しか取れていませんでしたが、過去問をしていくたびに数学力も身について、 過去3年ぐらいからはいいときは7割程取れていました。
- 英語
英語は4年に入ってからずっとTOEICを勉強していました。
夏休みが終わってからは、平日2~3時間、休日5時間程TOEICの勉強をしていました。
勉強法は同じ模試を何回もやるというものなのですが、まず模試を1回時間通りに解き、2回目を分からなかった単語を調べながらじっくり全問ちゃんと分かるまで解き、その後分からなかった単語を暗記する、という感じです。これを新形式の模試すべてでやりました。
英語の受験勉強を始めたのも2月頃で、語彙はTOEICの勉強で少し身についていたので、文法に力を入れました。また、平行して語彙も増やしました。
文法は「Forest 6 版」で、語彙は「鉄壁」と「Duo」で身に付けました。語彙は受験の日までずっと続けていました。
文法はある程度やった後は読解を鍛えるために「長文精講」(なんか黄色い本)をやりました。
また、英作文は過去問を使って先生に見て頂き、授業以外の時間も時々講義をして貰いました。
先生に見て頂いた内容がものすごくためになりました。その道を極めた人達なので、英語も数学も絶対に先生の協力は得た方が良いと思います。
感想
1次の受験を終えた時、本当にこの半年間やりきったなと思えました。とても清々しい気分でした。
一番大事だったことは、一緒に頑張れる友達がいたことです。友達がいなければ1次試験を通るのは無理でした。
春休みはその友達と一緒に、毎日1時間かけて学校へ通って、一日平均して7時間ほど勉強していました。正直、かなりキツくてストレスで胃が悪くなりましたが、それでも頑張ることができました。
学校が始まってからも授業中の受験勉強の時間を合わせて1日5時間以上はしていたと思います。 (内職できない実験などの授業もあったので)先生方には本当に失礼なことをしたと思っています…。
英語や数学を先生にも聞きに行っていたのですが、それもとても参考になることが多かったです。これはどんな人でも質問などしに行くべきだと思います。
大事だと思ったこと
- 志願書に面接で言えることを書くこと。…僕はこれが不十分で面接のときにかなり失敗しました。てか落ちました。他のページで解説します。
- 毎日どれだけでもいいので目標を持って勉強をすること。…今日はこの分野を全部通して学ぼう!とか、今日はこの問題を完璧にしよう!と目標を決めること。
- 誰かと一緒に勉強をすること。話すだけでも一人で勉強するより数倍は効果があると思います。少なくとも2倍以上は絶対に効果があります。
- 気を抜くのも大切。問題に詰まったときとかどうしてもやる気が出ないときは寝ましょう。僕も寝てました。
- 受験日のことはあまり心配しないこと。ホテルがどうだとか、移動がどうだとかはどうにでもなります。あまり心配しないほうがいいです。
- 娯楽等、勉強以外の環境を無くすこと。物理的に全てを封印しましょう。そうまでしないと集中できない方は意外と多いと思います。